経験してきたこと
プロジェクトの進め方を考えることから手を動かして開発することまで。
これまでに経験してきたことを、3つの役割ごとにまとめました。
案件ごとの経緯は「支援事例」をご覧ください。
プロジェクトの進め方(PM補佐)
- 自動化したい作業を工程に分け、工程ごとに実現方式を検討する
- 機構のアイデア出し、3Dモデルでの強度の確認を含む
- 要求仕様書をチーム内で一緒に起草し、ロボット会社(SIer)へ提出する
- SIerの提案書と試作機を評価する
- 検収の合格基準を決める
- ご支援先・SIer・当社の三者で打ち合わせを重ねる
- ご支援先だけで運用・改善していくために、人材の確保に関わる
- 自動化の構想をまとめ、作業リストと開発スケジュールを立案する
- ハンド(グリッパ)を工場で実際に検証・評価を行う
- 研究用ロボットシステムの全体構成を提案し、仕様書・工程表・検査計画書などの書類一式をそろえる
- 予算や現場の状況を把握し開発の方針を見直す
- 開発の提案書と見積りを作成する
- ご支援先様の「不安」は何なのかを考えつづけ、行動・提案する
- 経営層の思惑を推察しながらチームとしての方針を提案する
装置メーカー様、自動車部品メーカー様、公的研究機関様、電気設備会社様での経験から
開発チームの中で(開発リーダー補佐)
- 全体のシステム構成を検討する
- 開発メンバーの進捗と困りごとを聞き取る
- 技術者とマネージャーの間で技術の話を橋渡しする
- 各担当者と分担するためにインターフェースの仕様を決めて共有する
- 技術課題を整理する
- 複数のロボットが存在する前提で、システムを検討する(ロボット同士の衝突回避、複数台の経路計画)
- フィジカルAIへの対応案を検討する
- ご支援先の社員の方に技術指導をする
- 検証の進め方を組み立てる(どの条件で評価するかを一つずつ決め、単純な条件から総合評価へ進める)
医療機器メーカー様、製造メーカー様、車載機器メーカー様、自動車部品メーカー様での経験から
手を動かして作る(開発メンバー)
ハードウェアの設計・製作
- 開発実績
- 6軸ロボットアーム
- ロボット用ツール
- コーヒーマシン(プロダクトデザインを含む)
- 各種製造装置
- 設計・製作ツール
- Fusion 360(CAD / 3Dモデリング)
- EAGLE(基板設計)
- 3Dプリンター
- Ultimaker製
- 電子回路プリンター
- VOLTERA製
- 卓上CNC
- ORIGINAL MIND製
- レーザーカッター
- FLUX製
ソフトウェアの開発
- 開発実績
- ロボットアームの順逆運動学の解法実装
- モーターの制御
- 移動ロボットのナビゲーション機能(経路計画や障害物回避など)の実装
- 複数移動ロボットの制御
- 各種GUIの開発
- Unityなどでのシミュレーション環境の構築
- シリアル通信やTCP/IP通信、MQTT通信などを利用したモジュール間通信
- ヴィジュアルサーボ
- 模倣学習システム
- ACT
- Diffusion Policy
- Flow Matching
- VLA
- pi0(LoRAによるファインチューニング)
- 利用プログラミング言語
- C/C++
- Python
- C#
- ラダー
- Visual Basic
- 利用ライブラリ(代表的なもの)
- OpenCV
- OpenGL
- Open3D
- OpenRMF
- Point Cloud Library
- Eigen
- Qt系
- Torch(機械学習)
以下は、その中からいくつかを取り上げたものです。
透けているものを、掴む
半透明の物体は、カメラで輪郭を捉えるのが難しい対象です。物体検出AIで認識し、掴むための吸着ハンドは自分で設計・製作しました。
人を見失わずに、ついていく
移動ロボットの追従制御。測距レーザで人の位置を認識し、画像処理で「その人かどうか」を判別します。障害物との衝突回避まで含めて実装しました。
流れてくる食器を、種類ごとに仕分ける
コネクテッドロボティクス株式会社 在職時に担当
給食センターや社員食堂では、洗浄後の大量の食器を人が種類ごとに手で仕分けています。単純な作業ですが人手が要り、採用も難しい工程です。
難しかった点は、食器がコンベアで流れてくること。 位置も向きも毎回違います。流れを止めずに「どの種類か」「今どこにあるか」を判断できるかが、実現の分かれ目でした。
カメラの画像から食器の種類と位置を推定する仕組みを作り、それに合わせてロボットの動きを自動生成しました。動きは事前に3D画面で確認できるようにしています。
食器の輪郭を捉える円検出は計算量が大きく、そのままではコンベアの速度に追いつきません。OpenCVをGPU対応でビルドし直し、検出処理を並列化して速くしました。
コンベア上の食器を種類ごとに並べ替える一連の動作を実機で実現し、展示会で公開しました。認識・動作生成・3D表示の実装は、すべて私一人が担当しています。
AI・機械学習
打音で、電柱の劣化を見分ける
インフラ施工会社様
熟練者が打音で判断していたコンクリート電柱の劣化診断を、システムにする取り組みです。
- オートエンコーダで打音の特徴を3次元に圧縮し、劣化の有無を分ける
- 打撃のタイミングを認識する
- マイクの選定を含む計測ハードウェアの構成を提案し、組み上げる
- 解析用ソフトウェアを開発する
設計業務AIの開発
電気設備会社様
蓄電池を設置する場所の検討を、AIで手伝う取り組みです。
- 住所から、関係する法令(消防法、都市計画法、自治体の条例など10分野)を調べ、設置できるかどうかと必要な手続きをまとめるAIを試作する。3種類の生成AIで比べて評価した
- 敷地の図面から、コンテナの配置と車両の動線が収まるかを判定するシステムを提案する。当初の強化学習を前提にした方式をやめ、配置のパターンで判定する方式に見直した
人が動かして見せると、ロボットが覚える
作業ごとにロボットの動きを一つずつプログラムしていると、品種や配置が変わるたびに作り直しになります。教える手間が、自動化で浮くはずだった分を食いつぶしてしまう。多くの現場で自動化の話が止まるのは、ここです。
遠隔操作システムで人が実際にロボットを動かし、その動作をデータとして集める。集めたデータからロボット自身が動きを学習する、という仕組みを構築しました。ネジをつかんで移動させる動作を、プログラムを書かずに獲得できることを確認しています。
この方法が向いているのは、次の3つのうち2つ以上が当てはまる作業です。
1. 品種が多く、切り替えのたびにロボットの動きを教え直している
2. 対象の位置・向き・個体差が毎回違う
3. 力加減や手の感覚が要り、「こうしなさい」と数値で書き表しにくい
例えば、段ボールを開けて中身を取り出す作業。同じ規格でも潰れ方が違い、中の緩衝材やビニル袋は掴んだ瞬間に形が変わります。
深層強化学習の研究開発
ソニー株式会社在職時(2016年〜)、深層強化学習の研究開発に従事しました。
ハードウェア設計
遠隔操作ロボット(双腕+移動台車)
公的研究機関様
遠隔から操作できるロボットシステムです。双腕ロボット、移動台車、遠隔操作の操縦席で構成し、遠隔での巡回や機器のメンテナンス、研究開発での利用を想定しています。経緯は「支援事例」の事例3にまとめています。
ロボットアームを、3Dプリンタで作る
Yorinao Ver.5(自主開発)
ロボットをもっと身近にするには、価格・作りやすさ・使いやすさの三つが要ると考えています。そのうち価格と作りやすさに絞り、3Dプリンタで製作できる6軸ロボットアームを試作しました。機構設計・外装デザインに加え、手の動きを認識して操作する仕組み(ボーントラッキング)まで自分で作っています。
四足歩行ロボット
自主開発
姿勢制御と歩行制御。ジャイロと加速度センサを使い、設計全般を担当しました。
実店舗で動いているコーヒーマシン
カフェ運営会社様
設計、外装デザイン、内部・外部の操作ソフトウェアまで全般を担当しました。実店舗で稼働しています。
ビュッフェの料理の残りを、厨房に知らせる
厨房機器メーカー様
ひずみセンサで料理の重量を測り、MQTTで厨房へ送る。重量センサユニットの設計・製作から、GUIまで作りました。
手洗いを、機械が見分ける
厨房機器メーカー様
物体検出AIで手洗いの種類を判別するシンク。PLCで水栓とハンドソープを制御し、タッチパネルを付けています。組込みに適したハードウェアの選定も行いました。
実験・研究の自動化
- 実験自動化用ロボットアーム(研究機関様)— 樹脂製ロボットによる実験自動化。既存機器との連携
- 実験機器のIoT化(研究機関様)— プレートリーダーのIoT化ソフトウェアを含む
- 自動分注装置(研究機関様)— 流体挙動の検証装置、レシピ編集ソフトウェア
その他の制作物
- マンガ家ロボット(半導体メーカー様のCM用)— ロボットアームによる作画
- ワイヤー駆動型打検ロボット(ロボット機器メーカー様)
- Unity向け行列演算ライブラリ
学術的な背景
東北大学大学院にて博士(工学)を取得。組立作業支援パートナロボット PaDY の研究、および剣道における攻撃動作の予測を扱いました。
どこから一緒に始めるかは、初回面談で伺います。